CHDK for KAP
CHDKの導入方法から、スクリプトを使ってインターバル撮影を可能にし、カイトフォトのためのカメラにするまでの準備方法をまとめました。1~6までの構成になっています。
カイトフォトのためのCHDK その1
リクエストがありましたので、CHDKを使ってカイトフォト用のカメラを仕立てるところまでをまとめてみたいと思います。
CHDKの準備に関しては、これまでにも多くのサイトでいくつかの方法が紹介されいますが、今回はCHDK_Installation_Guide.pdfをもとにしています。
ただし、CHDKはメーカーがサポートしているものではなく、完全に自己責任の世界であるということを認識し、一切の保証が無いことを覚悟の上でお試しください。
また、私が使用しているPowerShot A570でテストした結果をもとに書いていきますので、他の個体や他のモデルで試した結果、いかなる問題が発生したとしても一切の責任をとることはできませんので、ご了承ください。なお、Windowsベースの話となります。
カメラの選択
それでは、まず、カメラの選択から始めましょう。
CHDKを始めるには、CHDKがサポートしているカメラ、つまり、CHDKのファームウェアが開発されているカメラを用意しなければなりません。
そこで、CHDKが開発されているカメラを確認するためにAuoBuildのダウンロードページを開きます。
このページには、CHDKのファームウェアの最新バージョンがリストアップされていますので、Cameraの列に名前のある機種を用意してください。もちろん、Canonのカメラしかありません。
IXYシリーズなどは、海外モデル名で表記されていますので、Canonのこちらのページなどを利用して機種を確認してください。
続きます。
2010年9月9日 Posted by staff_u | コメント
カイトフォトのためのCHDK その2
ファームの確認
カメラを決めて用意ができたら、カメラのファームウェアのバージョンを確認します。Canonのコンデジは機種によってはファームウェアのバージョンが異なるものがいくつか存在しており、そのバージョンごとにCHDKが用意されているためです。
例えば、A570には1.00Eと1.01Aの個体があり、それぞれにあったCHDKのファームウェアを用意しなければならないといった具合です。
それでは、ファームウェアの確認です。
CameraVersionを利用する方法
まず、確認するカメラで撮影したJPEGの画像を1枚用意します。
写真に書き込まれているEXIF情報にファームウェアのバージョンが書き込まれているためです。
次に、その情報を確認するためのツールであるCameraVersionというソフトをここからダウンロードします。
これを書いている時点では、CameraVersion12-SFX.exeが最新バージョンとなっています。
ページ上のファイル名クリックするとプレビューのウインドウが開きますので、DOWNLOADをクリックしてください。すると、認証のページが開きますので、表示されているアルファベットを正しく入力した後、キーボードのEnterでダウンロードが始まります。アルファベットが非常に読みにくいのですが、頑張ってください。
ダウンロードしたファイルは自己解凍形式のファイルです。ダブルクリックすると解凍先を聞いてきますので、指定して、Extractをクリックします。
解凍が完了すると、図のような3つのファイルが出来上がります。
そこで、CameraVersion12.exeを実行し、Browserをクリックして、用意したJPEGファイルを選択します。
しばらくすると、カメラの機種とファームウェアのバージョンが表示され、確認完了です(この表示では、1.00Eと確認できます)。
vers.reqを利用する方法
まず、vers.reqという空(0バイト)のファイルを作成します。
メモ帳などのテキストエディタを起動し、何も入力しないで名前を付けて保存することで、ファイルを作成することができます(この際、ファイル名にtxtの拡張子が付く場合がありますので、その場合にはリネームしてvers.reqとしてください)。
出来上がったファイルをSDカードのルートディレクトリ(一番上の階層)にコピーします。
そして、SDカードをカメラに戻してカメラを起動し、再生モードに切り替えます。
FUNC.SETボタンを押しながらDISPボタンを押すと、液晶にファームウェアの情報が表示されます。1.01Aの部分が必要な情報です。
続きます。
2010年9月10日 Posted by staff_u | コメント(3)
カイトフォトのためのCHDK その3
いよいよCHDKのインストールです。
とはいっても、カメラのファームウェアを直接書き換えるわけではありません。
CHDKはカメラの起動の際にファームウェアを乗っ取る形で起動するので、その起動のためのSDカードを作る必要があるのです。もちろん、ノーマルの状態に戻すのも簡単です。
SD/SDHCカードの用意
ただし、このCHDKの起動はFAT12かFAT16でフォーマットされていなければならないという制限があります。そのため、この制限を簡単にクリアできる4Gまでのカードがオススメです。
それ以上のカードを利用する場合には、カードのパーティションを分けてブートのための領域とデータのための領域を作るといった操作が必要になり、ちょっと面倒なことになりますので…(ということで、4Gまでのカードを対象に進めます)。
また、CHDKがサポートしている古いカメラではSDHCカードが使えないものもありますので注意が必要です。
Card Tricksの準備
それでは、インストールを始めましょう。
インストールの手順もいろいろとありますが、今回はカードの量産も簡単にできるCard Tricksを使います(カイトフォトでCHDKを使い始めると、カードの枚数も増えてきますので…)
まずは、CHDKのフォーラムの中にあるCard Tricksのスレッドからダウンロードします。
最初の書き込みの下の方にある、
download latest version: CardTricks-144-SFX.exe – 510 kB
のファイル名のところをクリックすると、ダウンロードのページに移りますので、Downloadをクリックしてダウンロードしてください(これを書いている時点では1.44が最新バージョンです。適当に読み替えてください)。
ダウンロードしたファイルは自己解凍形式のファイルです。ダブルクリックすると解凍先を聞いてきますので、指定して、Extractをクリックします。
解凍が完了すると、図のようなファイルとディレクトリが出来上がります。
CHDKブートディスクの作成
CHDKのインストールです。
まず、CHDKをインストールするSDカードをパソコンに認識させてください。
そしてCardTricksを実行します。すると、図のようなウインドウが開きますので、SDカードのアイコンをクリックして、認識したカードを指定します。
続いて、「Format as FAT」をクリックします。カード内のデータが削除されるという警告が出ますので、OKをクリックするとフォーマットが始まります。
フォーマットが完了したら「Make Bootable」をクリックします。この処理をすることで、CHDKを自動起動させることが可能になります。処理後に説明が表示されますので、OKをクリックします。
「Download CHDK」をクリックします。
すると、ウェブブラウザーが起動し、Autobuildのダウンロードのページが開きますので、ここまでに調べた情報をもとに、用意したカメラ用のファームウェアをダウンロードします。
Complete(full)とSmallが用意されていますが、CHDKを使いこなし始めると必要になるファイルが含まれているCompleteのダウンロードをオススメします。
ダウンロードが完了したら、「CHDK->Card」をクリックします。
先ほどダウンロードしたCHDKのZipファイルの場所を聞いてきますので、ファイルを指定します。
Zipが解凍され、SDカードにコピーされて作業は完了です。
SDカードをパソコンから抜き、SDカードをロックします(これがCHDKの自動起動スイッチになっています。ロックしていても写真は保存されます)。
そして、カメラに戻してカメラを起動します。問題がなければ、CHDKのマークが表示され、CHDK化は完了です。
ただし、このSDカードをカメラで初期化してしまうと、インストールしたファイルなども削除されてしまいますので注意してください。
また、CHDKを使いたくない場合には、SDカードのロックを解除してカメラを起動すれば、ノーマルな状態で起動します。
Macの場合
Macの場合、SDMInstというツールがあるようです(残念ながら、使ったことがないので詳細は不明です)。
続きます。
2010年9月11日 Posted by staff_u | コメント(4)
カイトフォトのためのCHDK その4
CHDK化されたカメラは、それだけでも大幅に機能強化がされています(例えば、電池の電圧が表示されていたり、各部位の温度が表示されたりしていませんか?)。しかし、カイトフォトに使う場合はスクリプトの導入が不可欠であり、ここからが重要です。
スクリプトのインストール
スクリプトを利用するには、CHDKのSDカードにスクリプトをコピーする必要があります。
CHDKをインストールしたSDカードをパソコンに認識させると、SDカードに次のようなファイルとディレクトリが見えます(SDカードのロックを解除するのを忘れずに!)。
CHDKのディレクトリを開くと、このような構造になっており、「SCRIPTS」のディレクトリを見つけることができます。
スクリプトの入手
スクリプトはCHDKで利用可能な言語である、uBasicかLuaを利用して作成することになります。しかし、数多くのスクリプトが公開されており、代表的なものは「User-written Scripts」として公開されています。
スクリプトの多くは、Script Codeといったタイトルでページ上に公開されていますので、コピー&ペーストでメモ帳などのテキストエディタを利用してファイルとして保存します。その際、ファイルの拡張子をuBasicスクリプトの場合は「.bas」、Luaスクリプトの場合は「.lua」にすることを忘れないで下さい。
Ultra Intervalometerの導入
実際にスクリプトを導入していきます。
まずは、カイトフォトをする上では絶対に必要なインターバル撮影用のスクリプトです。
インターバル撮影のためのスクリプトはいろいろなものが公開されていますが、まずは標準的な存在であるUltra Intervalometerを利用します。
ただし、このスクリプトは処理と処理の間のインターバルを指定するスクリプトとなっています。そのため、設定した時間ごとにシャッターが切られるわけではありませんので注意が必要です。もっとも、カイトフォトであれば、この辺りはあまり気にならないとは思いますが…。
それでは、スクリプトの入手です。
先ほどの「User-written Scripts」のページのCurrentの一番上にリストアップされていますので、そのページを開きます。
ページ上にはカスタマイズされたものを含めて4種類のスクリプトが表示されていますが、ここでは一番上のスクリプトを利用します。
Script Code (save as “ult_intrvl.bas” to your /SCRIPTS/ folder)
に続く点線で囲まれた中を選択し、右クリックで表示されるメニューからコピーを選択。
続いて、メモ帳などのテキストエディターを起動して、ペースト(貼り付け)します。
あとは、「ult_intrvl.bas」というファイル名で保存してください。
保存したファイルは、CHDKをインストールしたSDカードの「SCRIPTS」の中にコピーしてください。以上で導入は完了ですのでSDカードをカメラに戻します(ロックを忘れずに!)。
Ultra Intervalometerの使い方
カメラを起動します。CHDKが起動していることを確認したうえで、撮影モードにします。
まず、イージーダイレクトボタン(CHDKの起動の際に光るボタン)を押します。
この状態がCHDKの設定を行ったり、スクリプトを動かすモードで<ALT>モードと呼ばれます(このモードの間は、画面の下部に<ALT>と表示されています)。
<ALT>モードに入った状態で、FUNC.SETを押します。すると、Scriptのメニューが表示されます(MENUボタンを押して、Main MenuからScripting parametersを選択しても構いません)。
一番上のLoad script from file…を選択し、FUNC.SETで決定します。
「SCRIPTS」の中身が表示されますので、先ほどの「ult_intrvl.bas」を選択して読み込みます。
Scriptのメニューの下部がUltra Intervalometerのメニューに変化しますので、パラメーターを設定していきます。
| Delay 1st Shot (Mins)/Delay 1st Shot (Secs) | 最初の1枚を撮影するまでの時間を分・秒にわけて指定します。 |
|---|---|
| Number of Shots | 撮影枚数を指定します。 |
| Interval (Minutes)/Interval (Seconds)/Interval (10th Seconds) | インターバルを分・秒・10秒に分けて指定します。 |
| Endless? No=0 Yes=1 | 処理を繰り返すかの指定です。カイトフォトの場合は、EndlessはNoにし、撮影枚数を増やしましょう。 |
以上の設定が完了したら、Menuボタンを押してメニューから抜けます。
あとは、<ALT>モードに入った状態でシャッターを切れば、スクリプトの処理が始まり、インターバル撮影が始まります。
スクリプトの処理が完了するか、再びシャッターを切るとスクリプトの処理は止まります。
ひとまず、以上の設定でカイトフォトに使えるカメラは出来上がりです。ただ、CHDKの面白さはこれからです。次は、Wind Watcher氏のスクリプトを紹介します。
2010年9月11日 Posted by staff_u | コメント
カイトフォトのためのCHDK その5
CHDKのスクリプトには、カイトフォトに関するフォーラムやFlickrなどで有名なWind Watcher氏が公開しているカイトフォト用のスクリプトも存在しています。
カイトフォトでは、カメラは手から離れた場所に行ってしまうわけで、非常に不自由な状態での撮影となります(これが楽しいわけではありますが)。
この状態でシャッターを切らせる手段の一つが、インターバル撮影なわけですが、さらにスクリプトによるオートブラケットで、露出とズームまで変化させて撮影しようというのがWind Watcher氏の「Wind Watcher KAP CHDK Script」です。様々なパターンの写真を撮影しておきたいときには非常に有効なスクリプトです。
Wind Watcher KAP CHDK Scriptの入手
スクリプトはCHDKのフォーラムの中にあるこちらのスレッドにありますので、Ultra Intervalometerの場合と同じようにファイルに保存します。ファイル名は拡張子に気を付けて「ww.bas」といったファイル名で問題ありません。
テキストエディタで保存する場合、文字コードの関係で警告が表示される場合があります。その場合はコードの3行目
rem KAP – B-ES-ZS-R
を削除してしまうか、修正してしまえば問題はありません。
保存したファイルはSDカードの所定の場所にコピーして準備完了です。
カメラの設定
このスクリプトではカメラの初期状態が想定されており、次のように書かれています。
rem Recommended KAP camera start set up options:
rem Fixed ISO, Tv=>500, Ev=0, dispaly = (on for testing, off for flying), zoom=wide, IS=shoot only, …… or
rem Fixed ISO, Av=>>2.6, Ev=o, display = (on for testing, off for flying), zoom=wide, IS=shoot only, .. or your own set up!
ただ、AvモードかTvモードで露出を0に、ズームをワイド側にしておけば、大きな問題は発生しないようですので、それ以外の設定はいろいろと試してみるのがよさそうです。
また、カメラの設定は<ALT>モードに入る前に済ませておきます。
Wind Watcher KAP CHDK Scriptの使い方
スクリプトの設定内容は次の通りです。
| Number of cycles | 一連の処理を何サイクル繰り返すかの指定です。 |
|---|---|
| Raw on-1 or off-0 | Rawによる撮影をスクリプト上からon/offできます。 |
| Display on=1 off=0 | 撮影後の表示のon/offの指定です。省電力のための設定です。 |
| Seconds to delay start up | 撮影開始までの時間を指定します。 |
| Zoom bracket on=1 or off=0 | ズームブラケットのon/offの指定です。 |
| EV Step f/3 off=0 | 露出ブラケットステップを1/3の倍数で指定することができます。0を指定するとoffになります。 |
| Zoom 1=W M T M W 2=W M T | ズーム動作のパターンを5ステップ、3ステップのいずれかから選択します。 |
スクリプトを動かすと、こんな感じにカメラが動きます。
カメラの機能をスクリプトからコントロールできるCHDKならではといったところでしょうか。スクリプトをカスタマイズしていけば、フォーカスを変化させたりといったことも可能です。
ひとまず、ここまでで一区切りです。次回、補足の予定です。
2010年9月13日 Posted by staff_u | コメント
カイトフォトのためのCHDK その6
最後に、カイトフォトに関係する機能などの補足説明です。
スクリプトの初期値
スクリプトのパラメーターを設定するのがちょっと面倒な場合があります。例えば、Ultra Intervalometeの撮影回数など。
そんなときには、スクリプトの先頭の方にある
@title Ultra Intervalometer
@param a Delay 1st Shot (Mins)
@default a 0
@param b Delay 1st Shot (Secs)
@default b 0
@param c Number of Shots
@default c 5
@param d Interval (Minutes)
@default d 0
@param e Interval (Seconds)
@default e 0
@param f Interval (10th Seconds)
@default f 5
@param g Endless? No=0 Yes=1
@default g 0
といった部分の@defaultで定義されている値を書き換えてしまいましょう。撮影枚数の初期値を100にしたい場合には、
@default c 5
を
@default c 100
にといった具合です。
そして、Scriptのメニューで「Load default param values」を選択すれば、設定した初期値が読み込まれます。
RAW
CHDKによって拡張される機能の中で、非常に強力なのがRAWによる撮影が可能になることです。現像が面倒だったりといったデメリットもありますが、画質の追及には非常に効果があります。すでにまとめてありますので、そちらを参照して下さい。
KAP & CHDK – RAW part 1
KAP & CHDK – RAW part 2
KAP & CHDK – RAW part 3
Custom Auto ISO
カメラの標準機能であるAutoISOを拡張したものです。シャッタスピード優先に対して、ISOや手振れ補正のかかり方などもコントロールできるため、カイトフォトではなかなか強力な機能です。、
フォーカスの固定
カメラを付ける前にきちんと無限遠に設定すればいいわけですが、凧を揚げてしまってからだと、ついつい忘れてしまうことが…。ならば、その設定もスクリプトの中でやってしまえばいいわけです。
長くなりましたが、ひとまずここまでで終了です。
また、ネタがあれば追加していきたいと思います。
インターバル撮影機能を基本に選ぶことになるカイトフォト用のカメラですが、CHDKによってCanonのコンデジが使えることで選択の幅が広がればと思います。
自分もカメラの選択で悩んだ結果、なんとかたどり着いたのがCHDKだったりしますので…。
2010年9月14日 Posted by staff_u | コメント(4)














